料理のカメラマンPecogram

出版・印刷業界の専門用語を覚えよう。

冊子や書籍、メニュー表などの印刷媒体を制作する時には、普段聞き慣れない印刷や出版業界の用語を使うことになります。これらの用語は知っていて当たり前という体で話されることもあり、知っておかないとデザイナーや印刷業者さんとの打ち合わせの時に何を言っているのか分からないということになってしまいます。今日はそれらの業界用語を勉強して、メニュー表や冊子・書籍制作に備えましょう!

出版・印刷業界用語集

ラフ
紙面をどのようなレイアウトにするか紙に書いたもの。それをラフ案とも言います。ラフはデザイン案の土台になるので、パソコンで作るよりは手書きの方がイメージがつかみやすいです。普通は編集さんが描くことが多いですがメニュー表の場合は、店主の方に要望をお聞きした上で、それに沿ってデザイナーが描きあげます。

トンボ
印刷された紙面をここで切り落とします、というのを表す目印。印刷物は普通、完成系よりも大きい紙に出力してそれを切り落として使います。なので切り落とす時に、どこを切ればよいかという印が必要になるのです。

画像の周りにある黒い線がトンボ。この線に沿って立ち落とす。

台割り
ページ物を作る時に、制作に入る前に全体のページの割り振りを決めること。簡単に言うと、記事のページ順を決めるというのが「台割りを作る」という作業にあたります。

とある案件の台割り。一部文字を隠しています。

原稿
紙面作りに必要な材料のこと。「原稿」と聞くと一見、テキストのことだと思いがちですが写真やイラスト、紙面に必要なもの全てを指します。

校正
刷り上がった紙面に間違いがないか確認して修正指示を加えること。ここで刷り上がってきた紙のことを校正紙と(ゲラ)といいます。原稿にチェック漏れがあると間違った状態のまま印刷にかけられてしまうので、慎重にチェックをしなければなりません。

ゲラ
校正紙のことをゲラ刷りといい、その略がゲラです。

色校正
刷り上がった印刷物の色味を確認すること。実際に印刷する紙に刷って色を確認します。パソコンモニターと実際に印刷した時の色味は変わるので、これをしないとイメージ通りの色味で印刷物を作り上げることはできません。また、印刷する紙の種類によっても色の出方は全然違いますので、色校正の時は必ず本番と同じ紙で刷るようにしましょう。

初校と初稿の違い
「初校」は最初の校正のことを言います。一方「初稿」は最初の原稿のことを言います。「初校」は紙面全体のことを指し、「初稿」は文章だけのことを指すと覚えておけばわかりやすいですね。

赤字
校正紙に書き込まれた修正指示のこと。赤いペンで書くことから、赤字と言われます。ただし必ずしも赤いペンで書かなければいけないということはありません。修正指示が見やすければ何色のペンでも構いません。この赤字が多いとライターやデザイナーは落ち込みます笑

このように校正紙に赤字を直接書きみます。

再校
初校の赤字を直した2回目の校正紙のこと。ここで色味をチェックする場合はこれを色校といいます。

校了
校正が終了したことを略して校了と言います。校了したということは印刷へのGOサインが出たということなので、ここでデザイナーの仕事は終了です。あとは印刷業者さんのお仕事になります。

責了
校了に対して自分の責任で校了するときに使われる言葉。間に誰も入らないのでチェックは自己責任です。

角版
写真を正方形、もしくは長方形で使用すること。また角版の逆で写真を丸く使用することを丸版といいます。

トリミング
写真の中で必要な所だけ切り取って余計なスペースをカットすること。

キリヌキ
角版でも丸版でもなく、写真の中の対象物の輪郭をピンポイントに切り出すことをキリヌキといいます。

入稿
印刷するために原稿を印刷所へ渡すこと。原稿とは上記で説明した通り、紙面に必要な材料全てのことなので入稿する際はテキスト、写真、イラストがあればイラスト、このように仕上げてくださいという指定を書く出力見本とデータが必要です。ちなみにデータ入稿という言葉もあり、これは文字通り紙媒体ではなく、ペーパーレスでデータのみ印刷所に渡すことをいいます。

アタリ
レイアウトする際に、一時的に使う写真やイラストのこと。簡単に言えば、本番では使わないダミー(仮入れ)のことです。写真やイラストだけではなく、紙面に文字を入れるときにも使用されます。「文字量アタリで100w(ワード)とってください」と言われた時には、ダミーの文章を100文字入れておけばOKということになります。

イキ
イキとは「そのまま」や「いかします」という時に使われる言葉です。

解像度
解像度とは画像の密度のことです。小さなドットが集まって画像はできます。印刷物を見た時に、小さな点が密集しているのを見たことありませんか?解像度が高いと、より多くのドットが集まるために画像はキレイで滑らかな仕上がりになります。これを高解像度といい、ドットの数が少なく荒れた仕上り画像を底解像度といいます。

モアレ
印刷の乱れのこと。印刷にムラができたり、画像がぼやける現象のことを指します。モアレは解像度の低い画像を大きく引き伸ばして拡大したり、印刷物をスキャナーでスキャンした時などに起こりやすいです。

CMYK
C=シアン M=マゼンタ Y=イエロー K=キープレート(黒)の頭文字をとったもので、印刷に使われる発色方法です。プリンターやコピー機はCMYKのトナーインクを使っています。CMYKで表現できる色味の幅には限界があり、この4色を混ぜれば混ぜるほど色はくすみ、黒に近づいていきます。

RGB
R=レッド G=グリーン B=ブルーの頭文字をとったもので、CMYKと違い紙に印刷することができません。というのもRGBはトナーインクではなく、テレビやパソコン、ケータイの液晶画面に使われる光の発色のことを指すからです。色味の再現幅も広く、CMYKでは表せないような鮮やかな色味を表すことができます。CMYKは紙媒体、RGBはデジタルと覚えると分かりやすいでしょう。

専門用語がデザイナーや業者との共通言語になる

ここまで色々上げてきましたが、これでもごく一部です。まだまだ他にも多くの印刷デザイン用語は存在します。これがデザイナーや印刷業者さんとの共通言語になるので、印刷物を作成する場合には一つでも覚えておくとやり取りがスムーズにいきますね。また他にも質問が多いと感じた用語があれば、こちらに随時追加更新していきます。