本の制作の流れを覚える。出版するまでの工程。

1冊の本が出来上がるまでには決まった流れがあります。
制作の流れを工程に分けて紹介したいと思います。

大まかな出版までの流れ

本を作るには大まかに以下のような流れで制作していきます。

①企画立案(企画会議)

②原稿作成

③デザインレイアウト

④校正・校閲

⑤印刷・製本

⑥流通(書店に並ぶ)

それでは、それぞれの具体的な作業を詳しく説明します。

①企画立て(企画会議)

まずは作る本の内容について決めなくては、本作りは始まりません。

どんな本にしたいか、ターゲットは誰か、掲載内容についての会議を行います。
この企画でテーマがはっきりしていないと、内容がブレてよく分からない本になってしまうので、企画会議はとても大事です。

メニュー表の場合も、そのお店の雰囲気やターゲット層に合わせたものにしなくては、メニュー表だけが浮いてしまうので企画会議はしっかり行いましょう。

②原稿作成

カメラマンやライターに依頼をかけ、テキスト・写真・イラストなど紙面に必要な材料を用意します。

お店などの取材がある場合は、アポ取りと撮影の日程調整を行います。
イラストが必要な場合はイラストレーターに発注をかけます。この時に描いて欲しいモチーフがあれば伝えておくと良いでしょう。

取材撮影がある場合は、最低でも取材日の一週間前までには依頼をかけるようにしましょう。一週間を切ると、ライターもカメラマンもなかなか捕まりません。

③デザインレイアウト

コンテ(写真の位置やタイトルの入れ方や文章の文字数などを記したラフレイアウトのこと)に従って、文字や写真をページに配置していきます。

デザイナーはコンテをもとにより良くなるようにアレンジを加えながらデザインしていきます。修正を何度か繰り返し、レイアウトが上がったらライターに渡します。(デザインと同時進行でライターが原稿を書く場合もあります)
原稿の最終チェックをして問題がなければレイアウトデータと写真をまとめて印刷会社へ。

④校正・校閲

間違った言い回しがないか、誤字脱字がないかなど何度も読み返して原稿にミスがないかチェックします。
取材先にも目を通してもらい、指摘があるようなら赤字を書いて印刷所へ戻します。修正を繰り返して校了となります。

⑤印刷・製本

印刷・製本は一番最後の工程です。基本的に印刷も製本も印刷会社で行います。
メニュー表などを自主制作する場合は、個人的に印刷会社に依頼します。最近ではインターネットでオンデマンド印刷をお願いできる業者さんが多くあります。
オンデマンドの場合、多くの部数が必要ないメニュー表や名刺などでも比較的安価に印刷・製本してくれるのでオススメです。
ただ業者さんにより色校(印刷の色の仕上がり具合の確認)が取れないこともあるので、依頼する際に色校がありかなしかもチェックしておきましょう。

オンデマンド印刷業者はグラフィック社やプリントパック、ラクスル…などと沢山あります。

とはいえ、他業種の方々からすれば印刷・製本の手配は難しいものです。
Pecogramでは印刷の手配もお手伝いさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

⑥流通(書店に並ぶ)

流通は営業さんが全国書店を渡り歩き、より多くの書店でより良い場所に本を置いてもらえるようにお願いします。
やはり大きい出版社の方が置いてもらいやすい傾向にあります。

ちなみに変型の本や大きなサイズのものは書店に嫌われる傾向にあります。できるだけ本棚に入れやすかったり、平積みしやすいタイプの本の方が、流通させやすく、さらには売れやすい本になります。

書店で本作りの工程を想像してみよう!

このように本作りは、企画から印刷・製本するまでに多くの人が関わります。
1ページ作るのに何度も修正を繰り返して作られます。

書店で本を手に取った時は、本作りの背景を想像してみると面白いですね。今までと少し違った見方が出来るかもしれません。

今回いろんなデザインの専門用語が出てきましたが、わからなかった場合は過去のペココラムでまとめていますのでこちらを参考にしてみてください!
出版・印刷業界の専門用語を覚えよう。