オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いと比較。それぞれのメリットとは。

印刷物を依頼する際に、印刷会社のサイトに「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」と記載されており、どちらがいいか迷った経験はありませんか?オフセット印刷とオンデマンド印刷。2つにはそれぞれメリットとデメリットがあります。結局のところどっちがいいのでしょうか?メリット・デメリットを把握した上で最適な印刷方法を選択しましょう。

オフセット印刷の特徴

CMYKカラーの他に特色(DICや東洋、PANTONEなど)を使用することが可能です。製版してから印刷するため、仕上がりが綺麗です。初版で数千部以上刷るような漫画や雑誌、書籍、さらには中吊り広告や街で見かけるポスターなどの商業印刷物の多くはオフセット印刷が用いられています。大量印刷にも向いています。

オフセット印刷のメリット

CMYKカラーはもちろんのこと、特色(DIC)印刷が可能なので色味の再現幅が広いです。また上記の通り印刷の際には必ず製版をするためインクが紙にしっかりと密着し、印刷の仕上がりがとても高品質で綺麗です。イラストや写真はもちろん、文字の輪郭やエッジなど細部までシャープに表現することが可能です。

特色とは

特色とはCYMK(シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック)では表現できない色のことを言います。例えば蛍光色や金銀、メタリックカラーなどは特色が必要になります。蜷川実花さんの作品のような鮮やかな写真は、特色を使わないと表現できない色味の代表例ですね。ファッション誌の表紙には必ずと言っていいほど特色が用いられています。

特色のカラーチャート

オフセット印刷のデメリット

上記の通りCYMKの他に特色印刷や、クオリティの高い印刷が可能なことからコストがかかるため、少部数の印刷には不向きです。また、版を作るのに時間が必要なので納期までに多少時間がかかるというデメリットもあります。ちなみに少部数印刷も可能ですが1つあたりの単価が割高になってしまうので注意しましょう。

オンデマンド印刷の特徴

トナーを使用したレーザープリントのことを言います。大きなくくりで言うと、家のプリンターもオンデマンド印刷の一つになります。版は作らず、PCからデータをプリンターに直接送り、出力する印刷方法です。

オンデマンド印刷のメリット

いちいち版を作らずに、PCから送られてきたデータを直接印刷するので、スピード印刷が可能です。また同様の理由から、少部数でもコストを抑えて印刷できるのがオンデマンド印刷の魅力です。判型や物にもよりますが、だいたい一千部を超えなければオンデマンド印刷の方が安くなります。

オンデマンド印刷のデメリット

印刷の色味がやや不安底です。色ベタ一色でも色の浅いところや濃いところと、ムラが出てしまう恐れがあります。しかし最近ではオンデマンド印刷の技術もだんだん進歩しており、オフセット印刷と比較しても近いレベルに達しているのでそこまで心配する必要はありません。

特色での印刷ができずCMYKのインクトナーで色の表現をするので、色味の幅に偏りがあります。ビビットカラーなどパキッとした鮮やかな色、写真集など色の階調や表現幅が重視される印刷媒体には不向きです。

オンデマンド印刷でも、ライトシアンやライトマゼンタなど、多少色に階調をもたせた印刷ができるものもある。

用途によって印刷を使い分けよう

ざっくりとした結論を言うと、キレイさならオフセット印刷、早さ・安さならオンデマンド印刷ということになります。写真集や特色を使用した印刷物ならオフセット印刷、少部数の印刷で個人的に使う印刷媒体の場合(名刺やメニュー表、結婚式の招待状、DMなど)、コストや速さの面からオンデマンド印刷をオススメします。印刷を依頼する場合は、印刷部数や納期仕上がりなどを考慮して依頼するといいでしょう。